2009年08月13日

YASUKOSUN(from東風)さんが歌う甘く優しいメロディ「オレンジ」の歌詞ができるまで

Songs On The Webが今月8日に発売した最新アルバム「虹/The Best of Songs On the Web Vol.3」。

前回前々回に引き続き私が参加した楽曲の歌詞ができるまでについて書きます。最終回の今回はYASUKOSUN(from東風)さんによる「オレンジ」です。今回も結構、長くなるので前回同様、余談の部分にはしおりを挟んでおきますね。では始まりです。

この曲はSongs On The Webのアルバムを製作する過程で子守唄コンペがありそれに勝ち残った曲に歌詞を作ったものです。「薄化粧」、「カシミア」、「オレンジ」とまったく別の歌詞を3つ投稿し、その中から選ばれたのが「オレンジ」です。

曲を作ったhiroさんは前回の442に収録された子守唄の作曲もされています。今回の曲は前回以上にとても優しくシンプルな曲調でまさに子守唄にピッタリな仕上がりとなっています。初めて聞いた時からこれはシンプルながらも色々なイメージが沸く良い曲だなぁと思っていました。

------------------ここから余談------------------

Songs On The Webのサイト上では「薄化粧」、「オレンジ」、「カシミア」の順で投稿していますが、実際には「オレンジ」を最後に作っています。

そもそも「薄化粧」、「カシミア」の2つの歌詞を作った時点で打ち止めとしようかなぁと思っていたのですが、もう1つぐらい男性向けの歌詞で子守唄作っても面白いかなぁと漠然と考えていて、#1は電車に乗っている時に10分ぐらいで作りました。なのでまさかこれが選ばれるとはその時点ではまったく考えてなかったです。

------------------余談終了------------------

「薄化粧」は旦那さんと子供の2人に対する子守唄で、テーマカラーはベージュ。子守唄なのにタイトルが「薄化粧」ってところがなんとなく気に入ってます。たいした意味はないですけどね。

「カシミア」は子守唄を歌ってもらう側の女性が主人公です。まぁ実際に彼氏が子守唄を歌っている表現は一切、歌詞の中に入ってないですけどね。あなたの存在自体が安らぎを与えてくれる子守唄のようなものよとかなんとかその辺りは聞く方が勝手に判断して頂いて構いません。

ちなみに「カシミア」のテーマカラーはブラウンです。若干、苦しいかなとも思ったのですが強引にブラウンにしました。またこのブラウンはこの後、「星空のクリスマス」という歌詞で改めて使いました。ただこれも「カシミア」同様にちょっと苦しい使い方だったせいなのかどうかはわかりませんが最終的に没になりました。

そして「オレンジ」です。余談でも書きましたが、電車の中で10分程度で作ったものです。男性ボーカルの子守唄も1つぐらいあってもいいなぁと思って作ったものですが、内容的にはまったく子守唄ではないですね。厳密には誰も子守唄を歌ってないし、この歌詞を聞いて眠くなるってのもないと思います。

------------------ここから余談------------------

「オレンジ」に対して作曲者のhiroさんがハードボイルドっぽいですねと評されてましたが、これには「おぉっ」という感じでびっくりしました。実は#1にはモチーフとなった歌がありましてそれが実にハードボイルドタッチの歌詞で、自分でもこういったのを作りたいなぁと思って作ったので、そういった感想を持って貰えたというのは素直に嬉しかったですね。

ちなみにそのモチーフとなった歌とは甲斐バンドが後期に出したアルバム「虜」のラストを飾る名曲「荒野をくだって」です。機会があればこちらでほんのちょっとだけ試聴出来ますので聞いてみてください。

ただ子守唄の感想でハードボイルドタッチってのはどうなんだと言う気がしないでもないですけどね。まぁその辺は置いといて、次に行きます。

------------------余談終了------------------

で、この子守唄にまったくなっていない歌詞が色々な事情もあり結果的にはボーカルは男性から女性に。そして内容もタイトル以外は100%別のものとなっています。

さらに女性向けとなってからも8回の修正の間に内容は二転三転し、途中かなり悩んだであろうことが伺えます(正直、今となってはあまりよく覚えていないですが)。

まず#2では一度、彼の元を離れた彼女がまた彼の元へ戻るという内容です。誰が子守唄をと言えば「カシミア」同様、彼氏かな。まぁその辺は適当におまかせってことで。

これが#4で全面的に内容を変更。彼と二人の帰り道。そして彼女は歌われる側から歌う側に変わってます。これで2回目の全面的変更です。そして次の#5でさらに大きく変更。二人の帰り道からまた1人の帰り道となります。ただ#2とは違って一度別れた彼ではありません。そして1番は完成版とほぼ同じになりました。

その後、#6を経て#7でほぼ完成。結局、完成までに5ヶ月で8回の修正ということになっています。

さて、完成品を聞いた感想ですが、穏やかで安らぎを感じるYASUKOSUNさんの声はこの曲にとても合っていて、子守唄として本当に素晴らしいものになっているなと感じました。後半の三線の音色も実に見事に良い効果となっています。

------------------ここから余談------------------

今回、3つの作品がCDとなりましたが、その中でも一番、悩んだ作品がこの「オレンジ」です。子守唄の歌詞を初めて作ったというのも含めて本当に色々と悩みつつ作った作品です。

最初のうちは割りと具体的なストーリーを軸に作っていましたが、段々と抽象的になっています。これは単純にあまりストーリーをはっきりさせたり具体的なシチュエーションを表現するとストーリーとかその辺が気になるというか頭に浮かんでしまい眠るどころではなくなってしまうのではないだろうか?と考えたからです。ただ唯一、一箇所だけ具体的な表現を残した箇所があります。

「かわいい子どもを 乗せたバスが行く
 軽く手を振って 歩き出す」

の部分です。なんでこの一箇所だけを残したかと言うと、まぁ単純に100%丸々抽象的な歌詞にしちゃうと聞く人が登場人物に人間味とか体温を感じなくなってしまうかなと思ったからです。

先日、NHK教育で佐野元春さんがやっているザ・ソングライターズという番組のゲストでさだまさしさんがゲストで出られた時に「詞を聴かせるために意識していることってありますか?」という質問に対して即座に「体温です」と答えていました。

私が歌詞の登場人物に体温を持たせるようにと意識しているのはさださんではなく、他のミュージシャンの言葉がきっかけとなっていますが、その番組を見たことで改めて体温の重要さに気づきました。

個人的にその歌にリアリティを感じられるかどうかは登場人物に体温を感じられるかどうかだと思ってますので、ここは大切にしていきたいと今、心に命じました。

------------------余談終了------------------

てな感じで今回は終了です。毎回、長くてすいません。
posted by りょう at 15:44| Comment(0) | TrackBack(1) | Songs On The Web | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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